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将来を考えたストレスフリーなトイレ計画

コラム

日常生活を営むうえで欠かせない筋肉の量は加齢に比例して減少します。

特に立ちすわりや歩行、段差の昇降などに重要な下肢の筋肉量は男女ともに20歳代から減少してくると言われています。
現代の60歳代は自分が年をとったと思っておらず、手すりなどの設置に抵抗を感じる人も多いです。
しかし下肢の筋肉は年齢とともに確実に減少していくため、若いころに比べてとっさの踏ん張りがききにくく、それが転倒につながる危険があります。
家族全員がいつも使うトイレだからこそ安全性、快適性を考えたストレスフリーな空間を作りたいものです。

トイレのプランニング

リノベーションでトイレ位置を変更することが可能な場合、できれば出入り口はトイレ空間の長辺方向に引戸で設置するのが好ましいです。

出入り口の開口は75cm以上確保するようにしましょう。

立ちすわりをスムーズに行うためには便器の前は50cm以上スペースを設けたいところです。腰痛や筋肉痛などで身体がつらいときも大きくかがむことができ立ちすわりしやすくなります。介助などを考えると60cm以上あると便利です。

手すりを設置することは有効ですが、便器の横、長辺方向にカウンタータイプの棚を付けると手すりの代わりになります。ちょっとした小物をかざることもでき、見た目もおしゃれな空間になります。手をついて体重をかけてもぐらつかないようにしっかり設置しましょう。

温熱環境も整える

冬の夜間や早朝のトイレ使用時には急激な温度差でヒートショックが起こりがちです。
窓がある場合は断熱窓にし、暖房器具を置くようにしましょう。
便器は床に足をついてしっかり踏ん張って排泄できるように座面が高すぎないものを選び、トイレ空間のスペースを有効活用するためにも便器の前出寸法が短いコンパクトなトイレを選びましょう。

備えあれば憂いなし。
将来的な身体能力の低下を念頭に置きながら、リノベーションすることが大切です。

Written by ソラルテ空間設計 上原香織

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