日常生活の疲れを癒し、元気を回復させるのに欠かせないのは「睡眠」です。
日本には疲労に悩む人が多く、「朝起きた瞬間から疲れている」という人も非常に多いのが現状です。
精神的、肉体的な疲労により「活性酸素」という物質が生まれ細胞を酸化させ傷つけてしまい様々な疲労の症状が生まれます。活性酸素の影響で自律神経の機能が低下した状態が「疲労」であり、さびつきが取れにくくなった状態が「老化」となります。
日中に傷ついた細胞は睡眠中に修復されるので、充分な睡眠時間を確保するとともに睡眠の質の改善も必要です。
自律神経を整える
自律神経は、心身が活発なときに優位になる「交感神経」とリラックスしているときに優位になる「副交感神経」の2種類から成り立っており交感神経優位の状態が続くと自律神経が乱れ睡眠の質が落ちてしまいます。自律神経のバランスを整えるためには生体リズム(体内時計)を整えることが大切です。
生体リズムに主な影響を与えるのは強い光ですが、それ以外に照明の色も重要であることがわかってきています。
起床時は少しずつ室内が明るくなっていくことでさわやかな目覚めを実現させます。
夜は外部照明など余計な明かりが入らず、明け方朝日がすこしずつ入ってくるようなウインドウトリートメントを窓に設置するのが望ましいでしょう。昼の活動を終え、睡眠の2時間前からは部屋の照明を50ルクス以下のオレンジ色のものにすると副交感神経が優位にたちリラックスした状態で入眠することができます。ろうそくの灯りや水面のゆらめきなど「ゆらぎ」を取り入れるとさらにリラックスできます。
ベッド周りを整える
良質な睡眠をとるためには温熱環境を一定に保つ必要があります。夏は25℃程度、冬は16~19℃を目安に室温をコントロールしましょう。特に夏のエアコンは朝までつけっぱなしにしたほうが快適な室温を保つことができます。
エアコンの風が直接身体にあたると、だるさなどを感じることがあるため、エアコンの風が直接当たらない位置にベッドを配置しましょう。
真っ暗な状態では不安を感じ、逆に交感神経がたかぶり、睡眠の質が落ちる人もいるかもしれません。直接光源が見えない位置に色温度の低いオレンジ色のフットライトをつけるのがお勧めです。またトイレに起きた時などもいきなり明るい光を浴びると覚醒してしまうので、まぶしさを感じない程度の明かりで用をたせる工夫も必要です。
ぐっすり眠って明日も元気に活動したいですね。
Written by ソラルテ空間設計 上原香織